2015-04-09(Thu)

長い眠りからの機能回復



ここのところハヤテ号の公道復帰作業を綴ってます。
 
ハヤロイドさんが持ち込まれる前から燃料タンクの問題は分かっていたことなので今更驚かないが、ハヤロイドさんがこの車両を入手してからの数ヶ月、同じモデルの部品取り車の情報もなく、現物修理の道を避けることは出来なかった。
 
燃料タンクの内部の1/3程は劣化したガソリンと腐ったタンクの素材でズッシリと重さがあったが、内部のサビ除去を大方済ませてからの状態を確認して、その先の進行を探る。


 

タンクの底側のフレームを逃がすパネルは、元来 別部品として溶接で接合されているが、その溶接痕に沿ってグラインダーで削り落とし、手さえも容易に入らない隙間で穴を塞ぐ作業はパネルごと新造することとする。
 

 
パネルを剥ぎ取ったことにより、天板や内部の状態は現わになり、その先の作業もやり易くなる。 

意外としぶといサビの付着を見るが、その箇所は混合の油分でよりこびり付きが強いようであった。


 
所有者の意向と車両全体の外観的バランスを崩さないよう、メッキの部分まで大きな手を加えないよう、その代わり黒色の塗装部分は大胆に切開することとした。


 
外側がメッキ部分となるが、天の川のような陽が差し込む穴の群れには、内部から銅板を当てハンダで塞ぐようにする。
 
5センチ程度の隙間でも、切開したことで進められる作業である。
面があまりに荒れてるので、ハンダも綺麗に延びてくれない
 
 
後方部分の切開した箇所もハンダを使い銅板で塞ぐが、これも溶接するには母材の板厚が薄くなった箇所も多いのと、60年近く経つ鋼板は枯れてるためにガス溶接などでは歪が出る恐れがあることを考えての作業だ。


 
銅板を当てた箇所を含めて、内部に残るサビをサンドブラストで除去する。

最終的に残るピンホールや溶接漏れの穴を塞ぐために、内部を樹脂コーティングする予定である。


 
底側の切開したパネルは貼替えすることで強度にも不安はなくなる


 
表面の銅板を当てた箇所はパテ整形し、黒塗りの箇所のみ綺麗になってしまうが、背に腹は変えられない。

このあとは、通常の塗装工程なのでコンスタントに進行して行くことになる


 

  
燃料タンクの進行は一段落したところで、クラッチの方へと作業を移す。

当初は装着されていたコルクで辛うじて粉砕してない箇所の厚みを計り、また たまたまその実寸と同じ厚みの天然コルク材が入手出来たのだが、切り出す直前にゲージに嵌め込まれた台形状のコルクを剥がして良く見ると、H型断面になってるではないか
 これはまさか一つ一つH型断面に加工して嵌めてる
 い~やそんなハズなんてない
 
 
素材を切り出す前に良くよく考えたら、何十年もクラッチスプリングでのテンションが掛けられて潰れた状態になってるのだ。 そんな潰れた実寸では役に立たないだろう
 
 
では、潰れる前の寸法は? と言ってもデータが無いので推測でしか分からない。
何種類か厚みの違うコルクを用意して、試してみるが実際のところは湿式クラッチなのでオイルに浸してある程度の時間経たないと分からないが、難しく考えても仕方ないので、見当をつけて試してみるしかない。


 
少なくとも、残っていたコルクの実寸よりは厚めの材料を使うが、結局は入手出来た天然コルクの材料では寸足らずなので、集成材でゲージに嵌める素材を切り出すことにした。
 

 
36箇所のゲージを全て埋め、クラッチカバーのパッキンも再度開けることを想定し余分に切り出し組み付け準備を進める。


 
経年で煮詰まったようなエンジンオイルも洗浄し、いよいよ蓋をするが、この光景は当分見ないで済むと良いな~
 と、勝手な期待感を膨らませてもみた


 
クラッチカバーを組立、空キックをすると悪くない感触である。
続けざまにクラッチレバーを握りキックを踏むと、尚更良い感じと言うか、当たり前に機能してる

まぁ~実際のところ、エンジンの駆動が後輪にシッカリ伝達出来なければ意味がないので、キックを踏んだ感触で喜んでいてはまだまだだ
 
燃料タンクの黒塗りと内部コーティングも済ませ、既にオーバーホール済みの燃料コックも装着段階に入り、着々と完成の方向には進んでるが・・・・。
実際のところ走ってナンボなので、これまた喜ぶにはまだまだである。


 
再び車体に組み戻された燃料タンクには、かつての指で押しただけでもペコペコした感触はない。
しかし、メッキ部の見た目は特に変わらずと言うより、サビ取り作業により浮いていたメッキが剥がれた箇所も増えたので、ヤレ感は若干促進されたように見えるだろう。
 
左ニーグリップ部の表面だけ見ると多くのピンホールが確認出来るが、そこは内部の銅板との二重構造なのでガソリン漏れの心配はないのが面白い。

即座に濃い目の混合ガソリンを給油後始動し、クラッチの感触を試すために数百メートル走ってみるが、クラッチの方は好感触だ

それと同時に走らせて分かった不具合箇所も露呈してきた。
 

 
スロット開度が少ない部分では、スロットルバルブの戻しスプリングのテンションも少ないせいか、エンジン回転の落ちが悪く、アイドリングに落ち着くまで何秒も掛かってしまう。
スロー走行の時など具合が悪いので、これではイケナイ
 スロットルケーブルの戻りが悪いのだと直感出来る。
 
当初注油して様子を見たが、イマイチなのでケーブルを新規制作することにし、装着品を取り外してみると “くの字” に折れ癖が付いた状態だった。

同じ長さで作り直し(アウターエンド&太鼓は使い回し)して装着しなおすと、思った通りスローへの落ち着きが素直になった

このあとは、本格的に公道試運転に向けて、ブレーキや電装関連の手直しも行うこととなるので、まだ続く。



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コメント

No title

決してその場しのぎにしない、修理に対する姿勢には脱帽です(o^-^o)

No title

とても自分ではできないけど自分のことのように読んだら、ワイヤー調整の時には鳥肌立ちました。

まだちゃんと走るのにはいくつも山があるのかもしれませんが、情熱があれば何とかなるものだと再認識しました。

バイク楽しいですね~♪

No title

ザクっと大手術ですね、まあここまでに腐食したら当時物塗装は諦めてカチカチ山にならない様
しっかり直してもらうのが正解ですね。
最初見た時ハヤロイドさんがビックマグナムで破壊したのかと思いました( ^ ^ )

No title

お手数おかけします
一連の記事&コメント欄を見ましてもオオゴトだったのがよくわかります
まさに希望通りの出来で感謝×10
この頑丈なタンクなら私のビックマグナムの方が曲がってしまいそう
なんにしろ明日引取りにお伺いしまーす

PS.例のヘルメット&ゴーグルもよろしくです

No title

> ラ・モートさん

コメント恐れ入ります。
しかし、機能回復させる為には避けられない作業でした。
これでもまだ耐久性に不安は残りますが、それ以上に今後の使用頻度が高いとも思えないので、この辺で勘弁してくださいって程度の内容です

No title

> 旅がらSさん

走り出したとしても今後もマイナートラブルは付き物かと思います。
その時にどんな対応ができるか、修理への対応ができなくとも、心構えが出来るかが旧車と呼ばれる乗り手に掛かるかと思います。
それによって、旅がらSさんの言われる「(旧い)バイクは楽しい」と思えるかどぉかも差が出ますね

No title

> 錆道楽さん

本当なら当時物塗装どころか、この燃料タンクも諦めたいくらいですが、探しても到底見つからないレベルだと仕方ないです
考え方を変えれば、原型があるだけマシでしょうし、この程度で済んで良かったとも言えるかも知れません
直し方にも他にもっと良い方法があったかも知れませんけど

確かに、最初の大穴の元になったのは、ハヤロイドさんが跨った直後だったように思えます

No title

> ハヤロイドさん

イベント直前の納車になりますが、間に合って良かったです
ってか、イベントに参加させるとか制約がないとヤル気が出ないワタシの方が問題ですね

例のヘルメットは保管してますが、ゴーグルはどのヤツの話だたかな まぁ~それは来た時にでも
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☆シルバー

Author:☆シルバー
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思いっ切り旧式でもないが、比較的古い物は好き♪ かと言ってアナログ主義でもない 必要以上に高性能を求めない。 ってか高性能は扱えきれないので…。

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